02-05 事例:中途入社の新人社員への賞与について

ではAi壁打ちの事例を挙げてみます。
どのAIを利用すべきか・・とか細かいことは気にせずに
たいていの人が使っているツールでも
「十分なことができる」
とわかってもらえれば、それでいいのです。

まずは日常業務の1つを
相談することから始めてみましょうか。

執筆時点では、ちょうど夏の賞与の時期ですので
最初はそれを聞いてみます。

目次

AI壁打ちの作法1:まずは前提条件を知らせる

人間相手に相談するのと基本的に同じです。
経営者として名乗って名刺交換するだけでなく、
どんな業種で具体的に何をやっているかか説明しますよね。

そのうえで、具体的な悩みごとを入力していきます。

画面下側にある吹き出し部分は「プロンプト」と呼ばれていますが
そこに文章でも箇条書きでも構いませんので入力していきます。

シフトキーを押しながら改行を押すと箇条書きは簡単にできます。
最後にエンターを押せばAIへの問いかけは完了です。

ChatGPTだと上向きの矢印(↑)マークが
画面に出ていますのでそれをクリックしても同じです。

多少言い回しに問題があってもほとんど影響ありませんので、
判断に必要な情報になると思ったら気軽に入れてみて下さい。

あとはAIが勝手に判断して意見を述べてくれます。
数行の問いかけに数ページ返してくることもよくあります。

そこに反論して議論を深めることも
肯定して次の話題に進むのもアリです。

あとから情報を追加したい場合には、
「さっきの件の追加だけどね・・○○」
これだけで、もう一度考え直してくれます。

しかも何度でも。

AI壁打ちの作法2:関連するなら気になったことは何でも言及していい

事例では、昨年中途入社した若者へ
賞与をどのくらい支給すればいいか質問しています。

資金繰りに余裕がないことを伝えていますが
その中で管理職の社員から報告されている情報も
ついでに入力しています。

この社長は社員のメンタル面が気になっていたのですね。

こういう人間特有の悩みであっても
膨大な文脈から学習しているAIは
様々な事例から一般的な見解を伝えてきます。

もし特殊事情があれば、それも教えておくと
即座に修正して見解を示してくれますよ。

何度でも納得できるまで質問を続けて下さい。


ただいくつか注意点があります。

注意1:内容が変わったら別のチャットを利用する

全然違う話題に飛ぶことが続いたり
何時間分も同じチャットを継続すると
おかしな返答が返されることがあります。

テーマが変わったなと思ったら、
別のチャット画面を出してそこで会話して下さいね。

人間相手にでもあまりに長い会話をすると、
「何の話してたっけ?」ってなりますよね。

そんなことが実際に起きるのです。

注意点2:AIの答えをそのまま正解だと思わない

AIは相談相手としては非常に優秀でも
最終判断まで任せていいわけではないです。

特に専門家が存在する分野(人事、法律、税務など)は
AIの意見を参考にはしても
自社の事情や専門家の助言も踏まえて
最終判断する必要があります。

AIが調べて答えてくれているのは事実ですが
その情報源が正しいかどうかまで保証はないのです。

注意点3:最初から完璧な質問を書こうとしなくてもいい

「プロンプト講座」なるものが存在するほど
プロンプトへの入力方法が出力に影響した時期がありました。

ですが、今では
「AI自身が勝手に整理してくれる」
ようになっています。

思いついた順番で書いても何の問題もありませんし、
あとから情報を追加してもOKです。
音声での入力もできますので、気楽に試してみるのがおススメです。

質問の文章をきれいにまとめようとするくらいなら
判断に影響を与えそうな情報を
一つでも多く入力した方がいいです。

AI壁打ち:ChatGPTを経営相談に使う具体例(夏季賞与の決定について)

ここからは実際に入力した内容とその反応を加工せずに転載します。
ブログの表現上、質問は吹き出しの形にしています。内容は一切変えていません。
ちなみに答えているのは執筆時点でのChatGPT(無料版)です。

かなり長文になっているので
スマホで見るよりもパソコンで閲覧した方がいいかもしれません。

私は従業員10名ほどの会社の経営者です。年商は目標をやや超える見込みですが、年により上下があります。そのため毎期の決算では赤字になったり黒字になったり繰り返しています。昨年は大きく赤字となったこともあり、現在は資金繰りに余裕はありません。それでも今期は物価高を考慮して、定期昇給として3~4%上げています。でも昨年秋に中途で入った新人1名はまだ戦力にはなっておらず、昇給は保留しています。当社は技術サービスを提供しているため、素人が即戦力になるわけではありません。そのため教育期間を長めにとり、余裕をもった業務分担を指示していますが、最近本人にあまり覇気がないように感じてちょっと心配しています。給与は総支給額で26万です。いくらぐらいの賞与が妥当だろうか?

ご状況を整理すると、賞与は「利益還元」と「期待・メッセージ」の両方の意味を持ちますので、後者も考慮して決めるのがよいと思います。

現在の状況を整理すると、

  • 従業員約10名
  • 年商は目標をやや超える見込み
  • ただし利益は安定せず、昨年は大幅赤字
  • 現在も資金繰りに余裕はない
  • 既存社員には物価高を考慮して3〜4%昇給済み
  • 新人は昨年秋入社で約9〜10か月経過
  • 技術職なので育成期間が長く、まだ十分な戦力ではない
  • 本人のモチベーションが少し気になっている

この条件なら、私は「会社が払える範囲」を最優先にすべきだと思います。資金繰りを悪化させてまで賞与を出すのは、来年以降の雇用にも影響します。

一方で、全く出さない場合は、

「期待されていないのかな」

と受け取られる可能性があります。

私ならこのくらいを目安にします

総支給26万円なら、

  • 5万円(約0.2か月):最低限の「気持ち」を示す金額
  • 8万円前後(約0.3か月):会社として無理のない範囲なら最もバランスが良い
  • 10〜13万円(約0.4〜0.5か月):資金繰りに余裕がある場合

現在のお話を聞く限りでは、

5〜8万円程度

が現実的だと感じます。

私が気になるのは「覇気がない」こと

ここは少し慎重に考えたいところです。

新人の立場からすると、

  • まだ十分仕事ができない
  • 教えてもらっている時間が長い
  • 自分は会社に貢献できていない

という状況は、意外と本人も強く感じています。

その結果、

  • 遠慮してしまう
  • 自信を失う
  • 何を目標に頑張ればいいかわからない

という状態になる人は少なくありません。

賞与額だけでモチベーションが上がるケースはあまり多くなく、それよりも

「まだ教育期間だから評価はそこまで高くない。でも期待している。」

というメッセージがある方が効くことが多いです。

例えば賞与支給時に、

「まだ教育期間だから賞与は多くはできないけれど、会社として期待している。技術が身についてくれば昇給も賞与もきちんと反映していく。」

と伝えるだけでも受け止め方はかなり変わります。

他の社員との公平性

昨年秋入社ということを考えると、

ベテラン社員より少ない賞与でも、一般的には十分説明がつきます。

むしろ、

  • 在籍期間
  • 貢献度
  • 習熟度

を反映して差を付けることは、他の社員に対しても公平です。

私ならこう決めます

現在の会社の体力を最優先に考え、

  • 既存社員:会社業績と貢献度に応じた通常の賞与
  • 新人:5〜8万円程度
  • 支給時に「まだ育成期間だが期待している」と明確に伝える

という形にします。

最後に一つだけ付け加えると、賞与は「今年の利益を分けるもの」である一方、昇給は「固定費」です。すでに既存社員の給与を3〜4%引き上げているということは、会社は来期以降も固定費を増やす決断をしています。その意味では、新人の賞与を無理に厚くするよりも、会社の資金を守り、将来きちんと昇給・賞与を出し続けられる体制を維持する方が、経営判断としては健全だと思います。

なるほど。本人の勤務態度を見るとほとんど周囲と会話もない。真面目ではあるそうだけどね。でも定時になるとスッと席を立ってすぐに帰っているようだ。上司からは声掛けも気にしているが本人からは必要最低限のコミュニケーションしかないとの声を聞いている。今回の賞与をきっかけにして、本人のやる気を増進させたり、周囲をもっとなじめるようにできないか。例えばよい声がけの方法とかね。普段様子をみている直属の先輩社員にはどうアドバイスしようかとも悩んでいる。

私は、このケースで一番気になるのは「賞与の金額」よりも、「本人が会社の中でどういう物語を頭の中で作っているか」です。

お話を伺う限りでは、いくつかの可能性があります。

  • 「まだ何もできないから、あまり話しかけない方がいい」と遠慮している。
  • 自信がなく、積極的になれない。
  • 単純に内向的な性格で、仕事は仕事と割り切るタイプ。
  • 実は会社に馴染めておらず、少し孤立感を感じている。

この段階では、どれなのかはまだ分かりません。

私なら賞与は「評価面談」の機会として使います

賞与を渡すときに、金額の説明だけで終わらせません。

例えばこんな流れです。

「まだ育成期間だから賞与は多くはない。でも、これは戦力外だからという意味ではない。」

「この仕事は一人前になるまで時間がかかるから、会社としてもそこは織り込み済みだ。」

「だから今一番期待しているのは、技術だけじゃなく、周りとのコミュニケーションなんだ。」

「困ったことがあればもっと相談してほしいし、雑談でもいいから周りと話してみてほしい。」

「君が早く職場に馴染めることが、一番成長につながると思っている。」

この最後の一言は案外効きます。

「もっと明るくしろ」ではなく、

「馴染むことも仕事の一部だよ」

というメッセージになります。


「覇気がない」を本人に言わない

これは避けた方がいいと思います。

本人からすると

「自分では普通にやっている。」

可能性があります。

「覇気がない」と言われると

「どうすればいいんだろう」

となりやすいです。

代わりに行動で伝えます。

例えば

  • 分からないことは一日一回は質問してほしい
  • 一日一回は自分から先輩に進捗を報告してほしい
  • 朝は自分から挨拶してほしい

など、具体的な行動です。


直属の先輩には違う役割をお願いする

ここは結構重要です。

先輩社員は

「もっと積極的になれよ。」

と言いたくなります。

でもこれは逆効果になりがちです。

私ならこうお願いします。

「技術を教えるだけじゃなく、本人が質問しやすい雰囲気を作ってほしい。」

例えば

  • 「昨日の案件どうだった?」
  • 「困ってるところある?」
  • 「今日はここまでやってみようか。」

くらいで十分です。


逆に先輩にも注文する

先輩社員には

「質問がない=理解している」

ではないことを意識してもらいます。

新人には

質問できない人

が結構います。

だから

「何か質問ある?」

ではなく

「ここ、難しかったよね。」

「この辺は最初みんなつまずくよ。」

と話しかける方が話しやすいです。


半年後の目標を一緒に決める

漠然と

「頑張って」

ではなく

例えば

  • 一人で担当できる案件を○件にする
  • この資格を取る
  • この機械を一人で扱えるようになる
  • 社内で相談・報告を自分から行う習慣をつける

などです。

目標があると人は動きやすくなります。


私が一番気になった一文

実は、お話の中で一番気になったのは、

「最近本人にあまり覇気がないように感じてちょっと心配しています。」

という部分です。

ここからは、経営者としての視点になります。

あなたは「やる気がないから困る」とは書いていません。

「心配している」と表現されています。

これは大きな違いです。

その姿勢は、面談でも伝わるはずです。人は「評価されている」と感じるより、「見てもらえている」「気にかけてもらえている」と感じたときに、安心して本来の力を出せることがあります。

もし面談をするなら、最後にこんな一言を添えてみてもよいと思います。

「今は技術を身につける大事な時期だから、焦って成果を出そうとしなくていい。でも、分からないことや困ったことは遠慮せずに話してほしい。会社としては長く活躍してほしいと思って採用したんだから。」

このメッセージには、「期待している」「育てるつもりでいる」「一人で抱え込まなくていい」という3つの意味が込められています。賞与の金額が大きくなくても、このような対話が伴えば、本人の受け止め方は大きく変わる可能性があります。


以上ここまでAIの回答です。

最初は賞与の額だけを相談したつもりでしたが、
私の関心に応じて新人社員への面談や
先輩社員との接し方まで話を広げてくれましたね。

AIの回答が自分では気が付かなかった論点に
波及することはよくあります。
これこそ、AI壁打ちの真価かもしれません。

「抜け・漏れ」対策として十分に機能する印象です。

イメージはつかんでいただけましたか?

社長室で誰かに電話して相談するのではなく
こうしたAI壁打ちによって

社長自らが「ポイントを整理する」
これがAI壁打ちの最大のメリットではないでしょうか。

次はご自分のこと、つまり自己対話にいきましょうか。

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この記事を書いた人

会計事務所で20年以上働いてきましたが、税理士ではありません。■中小企業診断士として登録してますが、診断しない診断士です。■むしろ資格よりも人を見るクセがついたのかも。■社会人のスタートはプログラマーでした。PCはかなり好きです。自作経験もあります。■ただ、Macにはいまだに苦戦中。Windows歴が長すぎるので(笑)

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