ここからの話は
「実際に社長がどう変わるか」
というテーマで語るつもりだ。
その前に私の実体験を聞いてもらいたい。
あなたは大丈夫だろうか?
人生は突然「このままでいいのか」と問いかけてくる
私は50歳の誕生日を迎えた日、
いつも通りに出勤して自分のデスクに向かった。
そこでその日が大きな区切りであることを思い起こした瞬間、
あるひらめきに雷に打たれたような気分を味わうことになった。
これは比喩ではない。
心臓はにわかに早鐘を打ち、手は汗でビッショリとなった。
座っていられないように感じて、
椅子のひじ掛けを必死に握りしめた。
ブルブル震える身体をなんとか支えるのがやっとだった。
こんな経験は初めてのこと。
このとき私に訪れたのは
「もう50歳だ。定年まで長くても15年」
「このままの生活を続けても、
自分の時間の余地はほとんど残っていない」
「私は自分の人生を裏切っている」
こんな一瞬の洞察だった。
子どもの学費や生活費を稼ぐために
別の言い方では会社に貢献するために
懸命に仕事してきた。
転職のたびに仕えた社長は変わったけれど
意図的に手抜きはした憶えは一度もない。
当時、他部署で抜けた人員をカバーするため
土日でも数時間、つまり週7日出勤して業務を支えていたほどだ。
しかし人生の「最も大事なこと」を
目前に突きつけられた思いだった。
「自分ごと」としての人生をずっと放り投げてきたことに
サーチライトが当てられたような気がして、深く動揺したのだった。
実はこのころ、すでに不整脈の一種である心房細動を患っていた。
階段を上がるだけで息切れもするし、
ひどいときには素早く立ち上がっただけで気を失うこともある。
これが前触れもなく突然に症状として現れる。
専門医には、血液がよどんで固まらないように
薬を処方してもらっていたのだけれど。
私はおそらく遺伝的に心臓に疾患を抱えていたのだと思う。
祖母はペースメーカーを入れていたし、
父も駅まで歩く程度でも心臓の不調を自覚していたと
晩年の本人から聞いた。
もしストレスが身体に具体的な症状として現れるとしたら
きっと心臓からなんだろうと後に納得することになるのだが。
この心臓の発作が、ムリを続けていた
「自分へのメッセージ」であることは
どこかでわかっていた。
根治するには手術が必要と説明されたが
内心怖かったこともあり踏み切れずにいた。
手術への怖れもあるが、収入が減少することもイヤだった。
命もだけど、お金への怖れも実に大きいものがあったね。
だが次第に発作の頻度が増えてきていて、
カラータイマーが警告の点滅を始めたかのような印象を受けていた。
たまに数時間程度だったのが、数日へ。
さらには数週間、やがて数か月というふうに
発作のない正常な時間がどんどん減っていたから。
最後は意を決して手術を受けることになる。
だがそこに至るまでには、
「心不全を起こして呼吸困難になる」
という経験まで待たねばならなかった。
長期間にわたって発作が続いたことで
横になった姿勢では満足に息ができなくなっていた。
毎晩のように窒息の恐怖を経験したのだけれど
それがなかったら手術に踏み切ることはなかったはず。
決断の決定打になったのは
恐怖にも似た「深い後悔の念」だった。
「朝までに死ぬのではないか、
何も大事なことを伝えていないのに」
あの晩のことは生涯忘れることはないだろう。
50歳の誕生日の話は
心理学上は「中年の危機(ミドルエイジ・クライシス)」
として知られている。
また心不全を起こしていたのは文字通り生命の危機である。
この2つの危機は私の人生のレールの方向を
大きく変えるきっかけとなった。
実際そこから半年後にはサラリーマンを辞め
コネも資金もないまま、新たな道へ足を踏み入れたのだった。
あなたは人生からのシグナルを見過ごしていないか
さて、問題はあなたのことだ。
自分をごまかして生きることはできる。
でも身体は正直だ。
ムリが続けば、どこかでそのたまったツケを
請求書として突き付けてくる。
あなたがとりつくろった生き方を続けていれば
たぶん人生の方が
「それでいいのか?」と問いを投げかけてくるだろう。
私のようにね。
思ったようにいかない日々の中で
やり場のない怒りやあきらめは蓄積されていく。
これらを押し殺して生きることはできるが
フタをしていたら圧力は高まるばかりだ。
せっかく覚悟をもって
全責任を引き受ける経営者になることを誓ったのに、
大事なものをまるごと失うような
危険なカケをしてはいないか。
「自分の在り方」を見失って
今やそれを隠そうともしていないかもしれない。
・夢を実現したい
・自分のプライドを守りたい
・家族の生活を守りたい
と動機はさまざまだったと思う。
だが精神的にも身体的にも、
そしてふだんやっていることも、
いつまで「まともな状態」でいられるか。
ひょっとしたら、もう自覚があるのではないですか?
もう自分を自ら壊しかけていることに。
シリーズ2の目的:ここからは社長自身を変える話をします
このシリーズではそんなあなたに
重要なヒントを提供できると思う。
少なくとも私が日々試している方法を
お伝えすることを約束しよう。
ここからは
自分と向き合う局面が頻繁に出てくる。
「扉」を開ける覚悟を決めた人だけ読んでほしい。
全員に読んでほしいわけではない。
必要としている人にさえ届けばいいと願っている。
最初に言っておくと、その核心にいるのがAIなんだけどね。
正確にいえばAIそのものが重要なんじゃなくて
・「AIとの対話」を通じて
・「自分自身との対話」を取り戻せる
ってこと。
経営者が自己対話を繰り返せば
進化は当然進むでしょ。
「AIとの壁打ち」は
それを支えてくれる有効なツールなのです。
真摯に自分と向き合う覚悟があれば
このツールが持っているポテンシャルを
最大限まで引き出すことができる。
しかも劣化しにくいというオマケまでついてくる。
あなたが変わることを恐れないなら
「きっと強い味方になる」ことは、もう確かめてある。
ではシリーズ2をどうぞ。

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