02-03 言葉と記憶の限界――経営者が越えるべき3つの関門

「あの人の説明ってどうもわかりにくいんだよね」
「この人はいつもわかりやすくて助かる」
こういう言葉から、反射的に特定の人物が頭に浮ぶと思います。

その人物はあなたと似ていますか?
それともまったく違うタイプでしょうか。

また継続的に相談していく相手がいる場合には
前回から「どう続けるのか」という問題もあります。

あなたが誰かに相談するなら
前後関係やあなた自身の性格を含めて
相手が理解できるように話すことになるでしょう。

それに加えてどう記憶に残すかという問題も発生します。

それぞれに正しいアプローチを持てなければ
相互理解どころか同じループをグルグル回る羽目になります。

あなたの戦略は解決に向かうアプローチになってますか?
私は少なくとも3つの関門を超える必要があると考えています。

目次

関門1:自分の言いたいことを整理し表現できるか

前回の記事で指摘した通り
師匠を見つけることはなかなかの難易度です。

仮にできたとしても次の関門が待っています。
それがあなたの言語化能力です。

簡単に言えば、次の2つの要素を満たしていないと
相手にスムーズに理解されません。
・(自分の中で)言いたいことを的確にまとめる力
・相手が理解しやすい形に翻訳する力

これらを意識しないと
相手とは話が十分にかみ合わないってこと。

ご自身が感じておられる葛藤だって
「自らが通訳として説明する」
ことを要求されるわけです。

適切に言葉に変換できるものでしょうか。


ふさわしい言葉を与えないと相手に理解してもらえない。
もしくは誤解を与える余地が生まれるという言い方もできます。

問題の核心に近ければ近いほど、
その言葉の重要性は増してくる。

だから・・言葉を幾重にも重ねなければならない。
だから・・かえって誤解の余地も広がりやすい。

これを会話で行うこと自体、
私にはほぼ無理ゲーのようにすら思えます。

文字に一度変換するなら、
推敲の余地だって生まれますが。

でも会話としてリアルタイムに成立させるとなると、
難易度はグンと跳ね上がることになります。

関門2:相手の言葉を正確に受け入れることができるか

言葉に対する感性やその定義には人により違いがあります。
ですので誤解による行き違いが発生する余地は常にあります。

これは言葉を介する以上、
「情報をありのままに受け取る」
ことが難しいという事実を示しています。

そのため、あなたが「話す」「聞く」のどちらの場面でも
常にエラーを排除し続ける必要があります。
これまた難易度が高いと言わざるを得ません。

あなたが心情・ニュアンスを説明しようとしても
「相手が同じように受け取ってくれる」
とは限らないということですね。

逆も言えます。
相手が話していることを自分の理解に翻訳するタイミングで
そのまま過不足なく受け取ることの難しさ。

話し手の意図しない独自の解釈を
あなたが勝手に付け加えてしまうことも珍しくないのです。

あなたが思い悩むほど重要な内容であれば
脚色してしまうリスクが高まるのも不思議ではありません。

関門3:不確かになる記憶とモチベーションの低下にどう対処するか

理想の相談相手を見出すことができて
あなたが自分のことを伝えることができて
相手から有益な情報を得ることもできたとする。

ここまでたどり着けただけでも
十分に難しいことです。

でもせっかくの情報を有効活用できるかと言えば
必ずしもそうではないことも多い。


まず時間がたてば忘却が進みます。

相手と話してスゴイ着想を得ても、
そのスゴさを同じ熱量を維持しまま
いつでも再生することができるでしょうか。

感動するような導きを得たとしても
あなたが今持っているのはそのアウトラインでしかない。

人間は忘れやすい生き物でしょ。
まして、あなたは忙しい身だ。

話を聞いてやるべきことが浮かんだとしても
今のあなたはそのうちの幾つを実行できるか。


解決の糸口が見つかったら、
あなたの内面ではモチベーションの低下だって起こりうる。

だって他の案件だって放置しておけないでしょ。
いつだって解決の糸口を探しているのが
むしろ普通なのだから。

実際の解決を見届けていないのに時間ばかりが過ぎて
また相談相手に会って、
新たな問題の相談を始めているかもしれない。

そんな光景が浮かんできませんか?


アタマのいいあなたなら
録音して記録に残すことを考えるかもしれない。

でも聞くには同じだけ時間が必要です。
そんな時間ありますか?

音声データから文字起こしをするツールはありますが
そのとき頭の中で何を考えていたかまでは記録しようがない。

結局あなたが思い知るのは
自身の「記憶力の弱さ」なのか
「時間をムダにした」という後悔なのか。

こんな未来でなければいいのですが。

実はあなたが今まで苦労してきたことは
能力不足のせいではないのです。

方法そのものの限界にぶつかっていただけのこと。
次回はその前提を変えてしまう別の手法についてお話しします。

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この記事を書いた人

会計事務所で20年以上働いてきましたが、税理士ではありません。■中小企業診断士として登録してますが、診断しない診断士です。■むしろ資格よりも人を見るクセがついたのかも。■社会人のスタートはプログラマーでした。PCはかなり好きです。自作経験もあります。■ただ、Macにはいまだに苦戦中。Windows歴が長すぎるので(笑)

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